平成13年9月1日

日越農業・産業技術協力ネットワーク設立趣旨

アジアで唯一経済先進国となった日本は、今後ますます近隣諸国との経済・文化交流を 活発化させ、世界平和と経済安定に貢献しなければならない立場におかれています。

一方、将来的にアセアンの中心的なメンバーに発展することが期待されるベトナムは、 近代国家をめざして着実に工業化を推し進めていますが、産業のベースは依然農業分野であり、これらの均衡ある発展が課題となっています。

日越間の経済協力の現状は、工業分野とインフラ整備を中心に良好な関係の下に進められていますが、今後は、平行して農業分野への経済協力を強めることがベトナムの経済発展に寄与するばかりでなく、将来起こり得る食糧問題の解決のためにも、また農産物の輸入依存度の高い日本の利益にも合致するものと判断されます。

なお、経済協力には政府間で行われるものと、民間ベースで行われるものとがあり、その内容は多種多様ですが、民間ベースでの技術協力の輪を広げていくことが、今後ますます重要になるのではないかと思われます。

その点で幸いなことは、高齢化社会に突入した日本には、今後のベトナムの農業・産業の発展に寄与しうる経験と技術を有した中高年齢者が多く、またボランティア精神に富んだ多くの企業家と個人が存することであり、これらの人的資源と好意の有効活用をはかることは、物的支援にも増して両国にとって有益であると判断されます。

従って、これらの民間ベースでの技術協力をスムーズに促進するために、現在ベトナムに進出している企業、今後進出を検討している企業を中心に、日越間の農業・産業技術協力に関心のある全ての法人、団体および個人を対象とする連帯と協力の組織として、日本側に横に広がるネットワークを設立し、ベトナム側にもこの受け皿となる・組織結成を働きかけ、連携を強化していくこととします。

なお、このネットワークの事務局は、日越間の経済協力に実績のあるNICD社(本社:名古屋市、社長グエン・トリ・ユン)におき、ベトナム側の受け皿組織が結成されるまでは、同社社長が経営するMINH TRAN社(ホーチミン市)に協力を依頼して、諸活動を進めることと致します。

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